じっくり読むと8分


目次
アウトロー漫画の選定ポイント
- 社会の裏側を鮮明に写す描写
- 設定・シナリオが秀逸
- ヤクザ系~ヒストリー系まで幅広いジャンル
アウトロー漫画の種類
鬱漫画といっても、その種類は色々。今回は皆さんが選びやすいように、以下のジャンルでご紹介します。
- 【ジャンル不問】名作アウトロ漫画
- 暴力団・ヤクザ・半グレ系
- ヒストリー系
漫画のアウトローレベル
この記事では漫画のアウトローレベル(描写のエグさ・グロさを加味)を3つに分けてご紹介します。アウトローを見る源泉は「怖いものみたさ」ですが、あえてここでレベルをつけることで自身の期待にあったレベルの名作を読んでいただけたらと思います。
★ | ライトに楽しめる |
★★ | 少し慣れてきたらおすすめ |
★★★ | 挑め。最恐アウトロー漫画チャレンジ |
これだけは外せない!アウトロー漫画の名作たち
まずはアウトロー漫画を語る上で外せない作品をご紹介。これを読まずしてアウトロー漫画を語るなかれ。
アウトロー漫画 1.闇金ウシジマくん
作品の見どころ
- アングラ漫画の金字塔
- ”裏社会の教科書”ともいえるリアルな描写
- ホスト・パチンコ依存症・ヤク中・ヤクザまで幅広いストーリー
アウトロー漫画といえば、まずはウシジマくん。カウカウファイナンスという消費者金融を営む通称ウシジマくんが主人公。
普通の消費者金融とは異なりカウカウファイナンスは法外な利子を貸し付ける一方で、どんな社会的弱者でも貸し付けを受けられる可能性があるため、彼のもとにはあらゆるバックグラウンドを持った借り手=通称「奴隷くん」が集まる。
そんな”ヤミ金”を通じた、社会の裏側のリアル・残酷さ、人間ドラマを生々しく描いていく物語。とにかく貸し付けベースで小気味よく話が完結する一方で、一話一話の重さ・生々しさが半端ではないため、大体の人は「怖いもの見たさ」でどんどん読めてしまうだろう。
しかし、アウトローレベルをMAXにしたのは、グロさよりも「自分はこうなりたくない」「自分はこうなってしまうかもしれない」という不安を煽る作品であることも間違いないためである、心して読んで欲しい名作。
アウトロー漫画 2.外道の歌
連載中、長編作品
作品の見どころ
- 社会の裏に潜む屑たちの恐怖
- 拷問描写の局地
- 何よりヒトの怖さ
外道の歌を表現するとすれば「裏社会とヒトの恐怖」。同じ人間とは思えぬ、社会の裏側でむごたらしい蛮行をする屑たちの描写が物語全体を陰鬱な雰囲気で包みこみ、被害者から復讐依頼を受けた2人の青年が下す凄惨な拷問がその雰囲気に拍車をかける。
屑の蛮行も拷問もエグすぎるためアウトローレベルはMAX。
血で血を拭う、地獄絵図とは、まさにこのこと。鬼畜な人間の犯す行為は実際に起きた事件などをベースにしているというから恐ろしい作品である。巻数が進むにつれ、ヤクザ・半グレとの関わりも出てくるため、純粋なアングラ要素も楽しめます。
アウトロー漫画 3.シマウマ
作品の見どころ
- 裏の裏の社会にある本当のどん底を知る
- とにかく過激、残酷、グロテスクな所業の数々
- 底抜けのバイオレンスとは裏腹に軽快に進むストーリー
俺は知らなかった……この世の中には奴隷や家畜……それ以下の世界がある事を……
こんなフレーズが漫画の帯に書いてあったらどうしますか?シマウマは主人公がひょんなことから、裏社会のその裏に存在する回収屋と呼ばれる職業を背負うアングラ系バイオレンス作品です。
ウシジマくんと外道の歌を足して2で割ったような作品でしょうか。いや、グロさエグさはむしろ掛け算されている、間違いなくアウトローレベル★★★の作品です。人にオススメしたことは、ありません。笑 登場人物も中々に荒んだ性格の人しかいませんし、感情移入もできません。
それでもこの作品をオススメするのは「シマウマ」という謎に包まれた人物を軸に展開される骨太なストーリーがあるからです。ただの過激な描写が見所の作品という訳ではないですね。なので一応おすすめできます。
アウトロー漫画 4.ガンニバル
アウトローレベル ★
完結作品、長編作品、KindleUnlimited掲載
作品の見どころ
- 日本の村の”禁忌”に迫る展開
- 村に溶け込みながら真実を探る刑事
- ”禁忌”に関わる村人・警察、底なしの闇
2021年10月14日に、柳楽優弥の主演でドラマ化され「Disney+(ディズニープラス)」で独占配信されることが発表されたガンニバル は日本のとある村を舞台にしたバイオレンスサスペンス漫画。
エグい描写はあるものの、そこまで多くなくとにかく作品としてかなり面白いです。とある田舎の村に赴任した警官が、ある事件をきっかけに真っ黒に染まった村の狂気に飲みこまれていきます。日本の田舎を舞台にした裏社会をあぶり出す、描写がリアルです。
この作品は本当に一気読みしてしまうほど面白くてお気に入りなので、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。お時間あればぜひ読んでみてください。読み始めたらハマること間違いなしです。
ガンニバルは月額990円であらゆる書籍が読み放題のKindle Unlimitedの会員なら1巻を課金なしで読むことができます。詳細はこちらから。
アウトロー漫画 5.殺し屋1
アウトローレベル ★★★
完結作品、長編作品、KindleUnlimited掲載
作品の見どころ
- 映画化もされた伝説的アングラ作品
- 過激な描写の中でも、際立つの個性的なキャラ達
アウトロー・アングラの伝説的作品として挙げられる殺し屋1。映画化もされたことからもわかる通り、この作品は物語自体がかなり面白いです。自分は、一気読みしてしまいました。
最強の殺し屋と呼ばれる、元いじめっ子の1(イチ)とイかれたヤクザの闘いを描いた作品。 もう何から説明すれば、と思いますが、イタいシーンはとにかく多いです。エゲツない、何でもアリの世界観。※図抜けてえぐいシーンが1つあるので注意 ただその世界観の中でも、登場するキャラクターたちのキャラが立ち過ぎてしっかり作品として成立しているのがすごいなと思いました。
ラストに訪れる伝説の恋愛シーン?は、ぜひ死ぬまでに見て欲しいです。ほんと、作者の頭どうなってんだ。 ちなみに映画化された作品も、邦画の中ではかなり危険認定されているので興味がある人がぜひご覧あれ。
アウトロー漫画 6.ギフト±
作品の見どころ
- 臓器売買をテーマにした裏社会漫画
- 臓器売買をする人々のリアルな裏側
- 日本だけでなく中国まで含めたアングラ展開
臓器売買。どこか映画などで取り上げられるフィクション要素として見られがちなテーマだが、ギフト±を読むと悪い意味で身近なものとして感じてしまうだろう。
俗にいう、社会の屑を天才的な技術を持つ女子高生(主人公:鈴原環)が臓器売買の商品に仕立てあげる。その1つの1つの解体にまつわるエピソードは点の物語としても面白いが、そのビジネスに巣食う社会の裏側の組織の攻防の描写がかなりリアルです。
日本だけでなく、中国まで広がって進む展開にどこまでも深い社会の闇を感じること間違いなし。グロさもほどほどで、作品としての完成度も高いかなりの良作だと思います。
ギフト±は月額990円であらゆる書籍が読み放題のKindle Unlimitedの会員なら1~3巻を課金なしで読むことができます。詳細はこちらから。
暴力団・ヤクザ・半グレ系 アウトロー漫画
アウトロー漫画 7.うなぎ鬼
作品の見どころ
- 借金から裏社会に転落するリアルな物語
- うなぎがもたらす裏の仕事の恐怖
うなぎ鬼は借金を抱えた主人公が行き詰った末に裏社会の仕事に手を染め、引き返せない闇の世界の残酷さを目の当たりにしていくというストーリー。
ストーリーとしてはよくありそうなものだが、転落していく人々の1つ1つの物語が絶妙なリアルさを持っており、このこびりつくような嫌な読後感が他のアウトロー漫画と一線を期す部分だ。
「知っているか?うなぎってのはタンパク質ならなんでも食っちまうそうだ。なんでもだぜ」
こんなセリフがでてくる世界、のぞいてみたいあなたにぜひおすすめです。
アウトロー漫画 8.東京闇虫
作品の見どころ
- 金に目が眩んだ男が辿る末路
- ジェットコースターのような展開
- ウシジマくんに近い読後感
テーマはシンプルで金に目が眩んだ1人の若者が、大金が手に入るという”仕事”に手を染めてからの転落振りを描くアングラ・アウトロー作品。そのまま転落か、と思いきや踏ん張ったりする展開が読む手を飽きさせない。その一方で「明日は我が身」とも思えるリアルな描写が読む手を止めない作品であることも確かである。ライトめなウシジマくん作品として推したい一作。
鬱漫画 9.HEAT-灼熱-
作品の見どころ
- 正統派アウトロー作品
- 半グレ・暴力団・警察の三つ巴の展開
- とにかく重厚な物語
アウトロー漫画の王道、正統派的漫画といえばHEAT-灼熱-。警察にも暴力団にも屈しない男・唐沢辰巳が主人公。とにかくこの主人公がかっこよすぎてこの男の1つ1つの行動・言動から学べることが自体が多すぎます。
そのカリスマ性が周りの人を巻き込み、動かし、ついにアウトローの聖地 新宿・歌舞伎中を動かしていくという壮大な物語です。正直、実写映画としても名作になる予感しかないくらいの重厚な物語と小気味良い話のテンポが同居している稀有な作品。まさに映画を読んでいるかのような名作。グロさは少なめ。
ヒストリー系 アウトロー漫画
アウトロー漫画 10.RAINBOW
アウトローレベル ★★
完結作品、長編作品
作品の見どころ
- 昭和30年代のリアルなアウトローな描写
- 湘南特別少年院を抜け出す7人の男の物語
- 絶望につぐ絶望
一言でいえば、昭和30年代の日本を舞台にした泥臭さMAXのプリズン・ブレイクという内容。最高に面白かったです。7人の少年たちが、日本古来の理不尽が詰まったような湘南特別少年院を抜け出すためにあらゆる手を尽くす物語ですが、とにかく少年院に関わる人間たちが屑すぎて絶望します。
これがまさに1つの社会の裏側・アウトローな正解を演出しているのですが。物語の95%は鬱と絶望でできているような作品で読み進めるだけで気持ちが擦り切れますが、最後の5%の興奮は鬱・絶望があったからこそ。ぜひ皆さんにもこの興奮を味わっていただきたいです。
アウトロー漫画 11.満州アヘンスクワッド
作品の見どころ
- 昭和12年舞台にしたアウトローサスペンス
- 極上の”アヘン”を巡る 裏社会の争い
- 家族のためにアヘン製造に手を染める主人公
満州アヘンスクワッドは、戦前の満州(現在の中国)を舞台にした、アウトロー・アングラ系クライムサスペンス。戦地で怪我を負って、戦力にならず軍の食糧を作る農業義勇軍に回れた主人公 日方勇は病気の母のためにお金を要素するためにアヘン製造に手を染めるが、作り出したアヘンが当時製造されていたどのアヘンよりも”極上”であるという所からアヘンの販売組織に目をつけられ、日本の軍部組織からも追われる展開となっていきます。
アヘンで稼ぐ中国マフィア・日本軍ともに頭も切れて残虐であるため、常にハラハラが止まらない展開。歴史的なノスタルジー、日方勇が出会う魅力的な仲間たちが重いテーマと混ざり合い魅力的な作品となっています。これは映像化必須か。
まとめ アウトロー漫画のすすめ
アウトロー漫画をなぜ読むのか?
怖いもの見たさ、というのはもちろんあると思いますが、アウトロー漫画と呼ばれる内容には「人の醜さ、愚かさ、世の中の残酷さ、不完全さ」が垣間見えます。 今回アウトロー漫画で描写されているもののほとんどは世の中で実際に起きている・起きたことをベースに作られているというのが私の持論です。暮らしている世界の裏側で起きている出来事として感じられる生々しさが必ずあなたの人生に深みをもたらすでしょう。それこそがアウトロー漫画の良いところなのかなと、思います。





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