どうも、がんです。
今回は小説について。僕は村上春樹の作品をよく読みます。読みやすいですよね本当に。
作品中に春樹さんのセンスが垣間見える音楽や小説のチョイスが出たりして、そこから自分の音楽や本の興味を広めることがしばしばあります。
ノルウェイの森とか羊を巡る冒険もいいけれど、僕が個人的に好きなのは彼の書く短編集です。村上春樹は長編小説が有名な一方で「短編小説の名手」としても知られています。
その中でも僕が今回おすすめするのが村上春樹の書く「旅行記」です。
国内外問わず様々な場所に旅行・旅をしている村上さんの独特の視点から生み出される紀行文は、旅というものに対して新たな視点をもたらしてくれました。
というわけで、今回は「村上春樹のオススメ旅行エッセイ3選」をご紹介します。
もしも僕らの言葉がウイスキーであったなら
シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは? 『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか? 蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々――。芳醇かつ静謐なエッセイ。
まず紹介するのが、春樹さんがシングル・モルトと呼ばれるウィスキーを求めてアイラという島を訪れた際の経験を書いた「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」です。
ウィスキーと共に生きているといっても過言ではないアイラ島の人との交流を通じて、島に根付く独特の文化や誇りを繊細に描いています。
ウィスキーについてそれまで詳しくなかった酒飲み早大生の自分にとってこの本は「ウィスキーとは」という本質を教わった本でした。
読んだら生牡蠣とシングルモルトを一緒に食べたくなる、という感じ。うん、僕はまだまだです。(笑)
辺境・近境
久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町…。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃!旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます。
辺境・近境はまさに紀行文集といった作品。国内外問わず村上さんが訪れた旅先での話が詰め込まれています。
ウィスキーのようなこじんまりとした哲学的な綺麗な話というより、モンゴル・北米縦断・メキシコ・無人島などハードボイルドな内容が多いです。
旅が好き!という人にはまさにうってつけの作品だと思います。
特に「メキシコ大旅行」という春樹さんがメキシコで一人旅をした時の話はぜひ読んで欲しい。
旅人が海外で感じるあのなんとも言えない感情を春樹さんはお洒落に、エモーショナルに描いています。
ラオスに一体何があるというんですか?
旅をしている人にだけ見えてくる風景がある。そこには特別な光があり、特別な風が吹いている――ボストンの小径とボールパーク、アイスランドの自然、「ノルウェイの森」を書いたギリシャの島、フィンランドの不思議なバー、ラオスの早朝の僧侶たち、ポートランドの美食やトスカナのワイン、そして熊本の町と人びと――旅の魅力を描き尽くす、村上春樹、待望の紀行文集。「熊本再訪」初収録。
「旅している人にだけ見えてくる景色がある」この言葉の通り、こちらのラオスに一体何があるというんですか?ではディープな国・場所での春樹さんの経験談が中心です。
ラオスでの経験談はもちろん必見。尖った辺境・近境とは異なり春樹さんの人生観や懐の深さも感じとれる優しさのある紀行文集だと思います。
村上春樹から学ぶ「旅」
春樹さんは「ラオスに一体何があるというんですか?」の作品の中でこんなことを書いています。
さて、いったい何がラオスにあるというのか?良い質問だ。たぶん。でもそんなことを訊かれても、僕には答えようがない。だって、その何かを探すために、これからラオスまでいこうとしているわけなのだから。
旅することは、何かがあるから行くのではなく、何かを求めて行くことがあること。それが形あるものではないとしても。
そんな旅というものに対する価値観がこの春樹さんのセリフから感じました。
旅というもの、旅行というもの、それらに対して新鮮な視点を村上さんは紀行文を通して付け加えてくれています。
旅をもっと知りたい、考えてみたいという人はぜひ春樹さんの旅行記紀行文を読んでみてください。
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