じっくり読むと3分

本当に読んで良かった。いや、読まなきゃ良かった。
こんな感情にさせてくれる漫画は初めてだったかもしれません。今回はそんな天使の囀りのあらすじ(ネタバレなし)と感想、その魅力についてご紹介します。

Table of contents
天使の囀り
北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。
作者は「黒い家」「悪の教典」など数々の映画化作品を生み出したホラーの名手、貴志祐介。
天使の囀りの発行年はなんと20年前の2000年ですが、今でも三軒茶屋のTSUTAYAでは特設コーナーで売られているなど、今でもホラー小説ファンからは高い支持を誇る作品のようです。
元々、ホラーのジャンルでも超常現象系ではなくドロッとしたリアリティが特徴的な作者ですが、天使の囀りは「人間が1番怖い」的なホラーではありませんでした。
作品の見どころ!
- 予想不可能な「恐怖」の正体
- 異なる視点・時間軸で繰り広げらる展開が秀逸
- 最後まで結末が読めないハラハラ
- とにかく色んな意味で「恐ろしい」
予想不可能な「恐怖」の正体
まずこの作品を総評するなら、映画「エイリアン」に近い物があります。
読んでいる側も終始「恐怖」の正体がわからない。なぜわからないかというと、自分たちの想像を越えているから他ならないのですが。
そんな恐怖を背後に感じながら、それでも読み進めてしまうのは、これはやはり展開の妙と言えます。
異なる視点・時間軸で繰り広げらる展開が秀逸
物語は、アマゾン調査隊の日誌ような記述から始まり、次に主人公である精神科医の高梨に。そこから次々と物語の視点・時間軸が入れ替わって進んでいきます。
最初は「どういうことだ?」と思いながら、とりあえずよくある「人が自殺していく〜〜」ではないことがわかるようになります。
そしてそれぞれの視点で進む話の「気持ち悪さ」がどこかで伏線として回収されるようでならない、でも肝心の「恐怖の正体」がわからないので、読み進めるしかない。
天使の囀りは、この繰り返しです。どんな結末に突き進んでいるかわからないが、徐々に恐怖の正体がわかり始めてからは一気に物語のスピード感が上がります。
特に高梨が様々な文献を元に「恐怖」の核心に迫ろうとするシーンは個人的にめちゃくちゃ鳥肌でした。
最後まで結末が読めないハラハラ
それでも最後まで結末はわかりません。
恐怖の正体を理解してからは、まさに手に汗を握る(いやもう怖すぎ!)展開となります。
それでもやはり物語を通しての「これって本当の話...?」と思わせるリアリティはやはり貴志祐介です。
とにかく色んな意味で「恐ろしい」
今回はリアリティの題材があまりに通常の人たちの理解から外れていて、フィクションな感覚を思わせることになりそうでしたが、そこに緻密な情報(貴志祐介がめちゃくちゃ調べたに違いない)を植え付けることで唯一無二の恐怖を作り出したと言えます。
とにかくこの作品、20年前の作品とは思えません。24歳の自分が読んでも全く違和感なく読めました。
500ページ以上ある作品ですが、あっという間に読み終わります。もはやこれも映画化して欲しいです。
「最近のホラー小説は物足りない」という人はぜひ読んでみてください。まさに前人未到の恐怖を体感できますよ。
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