どうも、がんです。
最近は胃腸炎にかかり、帯状疱疹なるものまで患い、改めて「ていねいに生きよう」と思っております。
さてみなさん「旅」は好きですか?または、したいなって思ってますか?
自分は旅が大好きです。大学の長期休暇を使って海外に一人でふらっと行くのが好きで、今まで13の国を訪れました。今年は南米・アメリカに行きたいなと思ったり。
今回はそんな自分が旅にでるきっかけになった本、ではなく、「旅の目的って何だっけ?」と葛藤した自分に”旅の本質”を教えてくれた本を紹介します。
旅が好きな方はもちろん、旅に出たいと思っている人にぜひ読んでほしい本です。
沢木耕太郎
1947年東京生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。社会人初日で仕事を辞めたのをきっかけに、ルポライターとして1970年『防人のブルース』でデビューし、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品、小説などを発表している。
みなさん、沢木耕太郎という作家をご存知でしょうか?
沢木耕太郎といえば「深夜特急」が代表作として有名。著者である沢木耕太郎が実際に世界一周した時の体験が臨場感たっぷりに描かれています。
おそらく旅をしたことがある人はみんな一度は読んだことがあるんじゃないかというほど、名作として今も親しまれている作品です。
自分自身も旅に出よう!と思ったきっかけは「深夜特急」でした。
「深夜特急」について詳しく知りたい!という方はこちらの記事を読んでみてください。深夜特急の内容から魅力までわかりやすくまとめてあるのでオススメです。
そして今回はあえて沢木耕太郎さんの「深夜特急」ではなく「旅の窓」という本を取り上げてみたいと思います。
旅をするように読む「旅の窓」
旅への葛藤の中で出会った一冊
今回紹介する「旅の窓」という本。一体どんな内容なのか?簡単にいえば、
深夜特急 → 旅を「追体験」する本
旅の窓 → 旅を「再認識」する本
と説明できます。
上でも述べたように深夜特急は沢木耕太郎さんが実際に世界を旅した経験をありのままに綴った内容となっています。物語のテンポも良く、場面を忠実に描写しているので、まるで「自分が旅をしている」ような感覚になる作品です。
自分もこの本を読んだ時は夢中で読み続けました。まだ見ぬ絶景を、旅を、文章から想像を膨らまさせて「自分もこんな旅がしたい」そう思って一人旅を始めました。
そんな感じで深夜特急は「旅を 疑似体験する」ニュアンスがとても強く、刺激的な作品だと思います。
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ただ、自分が旅を重ねるにつれ少しずつ考え始めたのは「旅の目的って何だろう」ということでした。
憧れの旅をして、絶景を見て、かけがえのない出会いもした。確かに大事です。
それでも気づけば「絶景を見ること」や「出会い」を目的にしている自分に少しずつ違和感を持ち始めました。どこか表面的で、旅を消費してしまっているような感覚。訪れた国の数だけ増えて、語れるのは行った場所と出会った人の名前だけ。
「これはどうしたものか」「旅ってこんなもんだっけ?」そんなことを考えてしまうようになった時に出会ったのが、この『旅の窓』という本でした。
何気ない一瞬を捉える「旅」
旅の窓は、沢木耕太郎が旅中に撮った何気ない写真を一枚ずつ取り上げ、その写真にまつわる小話を添えていくという内容となっています。
深夜特急を読んでいた自分にとっては、かなり斬新な内容でした。決して絶景ではない、ただ本当に旅の中の何気ない一瞬の写真が載せてあるだけのはずなのに、ただひたすらと引き込まれました。
そしてこの本を読む中で自分は「旅の本質は、何気ない旅の一瞬にある」ということに気づきました。旅をしていると、つい「発信しなきゃ」という気持ちが先走り「絶景」「出会い」という目的に捉われがちになります。
しかし本当に大事なのは「旅の中の何気ない風景に目を向け、心に刻むこと」です。そしてこれは決して目的ではなく、旅の中で自然に意識できることです。
旅先の何気ない日常や風景に目を向けて、自分の感性に委ねてみる。そうして刻んだ記憶は心に残り続け、言語化できる。そんなことを旅の窓は教えてくれました。
旅の窓に書かれている内容はスッと心に届きます。作られた言葉ではなく、ありのままの言葉だからです。そして写真と共に、その場面の空気感までが伝わってきます。
「ていねいな旅」をしてみよう
photo by がん(サハラ砂漠にて撮影)
旅の窓を読んで自分の中のモヤモヤはなくなりました。
旅を消費するのではなく、ていねいに、旅をきちんと味わおうと思わせてくれました。
もちろん「絶景」「出会い」も大事な旅のスパイスです。それが目的であっても良いと思います。でももし今旅に対して何か違和感を感じている人がいたら、一回旅の窓を読んで見て欲しいです。これから旅に出たい!という人もぜひ読んで、ていねいな旅を感じてみてください。
目的に捉われず、旅を味わう、感じる、想う。
これが旅の根幹にさえあれば、きっと旅というものをより一層深く濃くすることができると思います。自分の感性を風景と重ね合わせる、そんな時間を自分もこれから設けていきたいなと思います。
そして自分も沢木さんに習って「旅の窓企画」を不定期で掲載しようかなと思います。こんな感じで一枚の写真とそれにまつわる小話を少しづつ紹介していきます。
どうぞ、お楽しみに。(まず病気治します!!!)
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